仕事も DJ も仕込みが大事

これは南青山にある某企業の社内 DJ イベントの振り返り記事として社内ブログに投稿したものを公開可能なように調整したものである。

仕込みと言っても何を掛けるかを決めましょう、という話ではなくて、 主に DJing に使えるようにファイルを調整しておく方の仕込みの話。

Harmonic Mixing

デジタル DJing が普及してから突如一般化された概念。だと思ってるけどあまり意識してない人が多い。ブッコミ以外はやらない的なミックススタイルだとしてもキーを合わせるのはオーディエンスに優しいので SHOULD としたい。

自分が最初のオーディエンスだろう!不協和音でいいのか!意識を高めよ!!!

Harmonic Mixing の考え方自体は西洋音楽メソドロジーである五度圏なので、全然大したことではない。けどまともにキーの相関性を暗記するの厳しいのでラベリングしようぜ、みたいな話。

How-To Guide from Harmonic-Mixing.com

デジタル DJ 世界でのポイントは BPM を維持したままキーを変更できるというところ。これを使うことで圏外から調和した状態でつなぐことが可能になったわけです。 CDJ だとマスターテンポはあってもキー変更は出来ないという点で言えば PCDJ 唯一のアドバンテージだし活用されたい。

キーを1つ上下させると7時間前後する、と覚えておきましょう。

前段が長くなったけど、これを実践するために事前にキーを解析しておいて、良い感じにラベリングしておくのが Harmonic Mixing のための仕込み。俺様は曲名にキー情報を付与している。ソートしやすいので便利。

Traktor でも rekordbox でも解析するとキー情報が付くけど、精度微妙なので Mixed in Key を薦めます。

www.mixedinkey.com

音量と音圧を揃える

作業内容が全然違うので分けた方が良いけど面倒なのでまとめる。

音量

音量が違う曲を掛けると当然オーディエンスは違和感を覚える。ので、キューイングしながら調整するわけだが、初めから概ね揃っていてくれるとより良い。実現方法としては Platinum Notes を使って音量を揃えるのが一番精神的にヘルシー。 www.platinumnotes.com

クリップしてれば抑えてくれるし、音量足りなければ上げてくれる。更にピッチのズレも修正してくれるので、ほぼ一択と言える。上記 Mixed in Key と同じ会社が開発している。

音圧

音圧に関する仕込みが一番悩ましいところで、概ね似たようなレーベルの最近の曲を概ね同じファイル形式で概ね同じストア(Beatportとか)から購入していれば、概ね気にしなくても良い。

が、例えば良い感じのブートレグリミックス曲を SoundCloud で見つけたが、それが 256kbps の mp3 だったりすると途端に厳しい感じになる。この間会社でやったくらいの環境なら気にならないが、ちょっと音に拘った箱だと繋いだ時にペラさが目立つのでなんとかしたい。

音圧不足は波形でわかることもあれば、聴かないと気付けない部分もあるので作業としてはなかなかヘヴィではあるが、オーディエンスにペラい曲を繋ぐ WACK な DJ と思われるくらいならちゃんと処理したい。

処理方法はとても簡単で、お好きな DAW に突っ込んでマキシマイザープラギンを掛けるだけ。クリップしそうなら EQ で上下をカットしてもいいし、クリッピングが許容範囲っぽければ Platinum Notes にブン投げしても良い。

エクスクルーシブを用意する

楽曲制作だけがエクスクルーシブではなくて、マッシュアップもエクスクルーシブです。南青山にある某企業の社員たるもの、マッシュアップの1つや2つ、シュッと作れなくてどうする。技術が好き!挑戦が好き!

マッシュアップ自体は実作業面での困難はさほどなくて、ネタを思いつくかどうかが肝なので、変態的な発想を持ってトライされたい。

マッシュアップ制作環境としては

  • DAW
  • プラギン
    • 良い感じに EQ 調整出来るやつ(Ableton なら EQ8 で良い)
    • マキシマイザー類(必須)

が良いと思っている。適当にやってもだいたい良い感じになるし、タイムストレッチも楽。

マキシマイザーについては音圧仕込みでも触れているが、Waves L3 multimaximizer が最高型だけど使いやすさと価格面で言えば SAUSAGE FATTENER で良さそう。俺様もこちらを使っています。

Waves - L3 Multimaximizer | Media Integration, Inc.

SAUSAGE FATTENER | Dada Life

というわけで、次回開催時にはエクスクルーシブを用意するぞ!!!